東京拘置所(当所執行・女区)
元受刑者の方より



東京拘置所でお勤めされた方より情報提供頂きました。

東京拘置所は、「刑務所」ではなく「拘置所」ですが、受刑者が拘置所で受刑することがあるそうです。これを「当所執行」といっているそうです。振り分けの条件等、貴重な情報のご提供、感謝致します。

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私は平成11年から平成13年まで東京拘置所にて当所執行として1年○ヶ月を務め、2.5ピン仮釈放をいただきました。

東京拘置所では、未決囚以外にも当所執行受刑者が多数います。
また、死刑囚も在鑑しております。
主に作業は経理作業で、炊事、営繕、洗濯、計算、舎房雑役とあり東京拘置所では女区の舎房雑役以外はすべて男子受刑者が作業に従事しています。

女区の舎房雑役の仕事は5名程で未決囚、既決囚の雑居独居への配食や洗濯の回収、購入品の配布等。
すべての作業には担当が立ち会い、不正がないか監視下のもとで作業します。
朝は舎房の掃除から始まり手早く済ませた頃に、男子受刑者が女区の入口の扉の外へ持ってきた食事を配食してまわります。
配食を済ませると食堂にて自分達の食事を済ませ、すぐに残飯と弁当箱や食器の回収へまわります。
収容者の数が多い為に、舎房を回るのにはかなりの時間を要します。
入浴の日には、雑居用や独居用の浴場へお湯を入れて回ります。

東京拘置所は、旧小菅刑務所だった為に造りは古く、浴場もコンクリートな為に浴場洗いは大変な作業です。
雑居の浴場は未決、既決囚が部屋ごとに掃除当番を回してやってはいますが、独居の浴場は各階に二つづつあるのを雑役で掃除をします。
また、既決囚には作業を配ってまわったり、作業を教えてまわったりもします。
特に独居既決囚は作業を間違えて覚える受刑者が多い為に、納得がいくまで教えて回ります。

自分達の舎房について、女区は独居にて生活します。
男区は官炊以外は雑居だと担当刑務官に聞いたことがあります。
完全に施錠された独居の為に圧迫感がありますが、仮釈放を考えれば気にもなりませんでした。

いわゆる当所執行受刑者は、未決のうちに担当刑務官が目を着けて分類にかけた時点で審査会で当所執行を決めると聞きました。
一般刑務所に比べると仮釈放は断然よいと言われています。
しかし当所執行とはいえども違反をすればたちまち刑務所へ移送となるのが基本です。
土日も作業がある為に仮釈放がよいというのもあると思います。

時に、体の不自由な死刑囚等の部屋の掃除などもします。
少ない人数での雑役作業となりますのでキツイですが、頑張れば仮釈放も沢山いただけるので希望する方も多いらしいです。
当所執行は、初犯であり態度が良い事、女区に関しては刑期が3年以内で29歳以上が条件です。

現在の東京拘置所は新しいので私が経験した時代とは処遇面などもだいぶ変わっていると思います。ちなみに拘置所当所執行はすぐに2級へ進級しパロルがあると1級へ進級します。

どうしても未決囚との接触が多いのと、未決囚が購入したお菓子等を隠れて貰ったり、ハトをとばして懲罰になって一般刑務所へ送られるケースも珍しくない為に、当所執行へ選ばれた方は意志を強く持って臨んでいただきたく思います。



刑務所生活