作業報奨金



作業者には作業の奨励と釈放後の生活資金として、作業報奨金が給与されます。これは2006年以前は作業賞与金といわれていたものと同じです。

作業報奨金は作業の熟練度に応じて増えますが、だいたい月平均4000円程度の微々たる金額です(最低賃金の20分の1にも満たない金額で問題です)。

作業報奨金は服役中に日用品や図書の購入で使用することができ、残額は釈放時にまとめて支給されます。刑期によりますが、残額は平均で5万円位になるようです。

満期釈放の場合、受刑者は、体一つと、社会から隔離されて浦島太郎のようになった頭と、雀の涙の作業報奨金とだけで、社会に放り出されます。

想像してみればわかりますが、これでは円滑な社会復帰は困難です。中にはそのままホームレスになってしまう人までいます。社会復帰ができないと、そのうち何割かはまた犯罪を繰り返し、刑務所に戻ってくるわけです。

受刑者が社会復帰できないのは、受刑者が悪いのでしょうか。受刑者だけでなく、制度や社会も悪いのでしょうか?

さて、話は変わりますが、刑務作業による利益は全額国庫に入ります

受刑者のことを「税金でタダ飯を食っている」と非難する人がいますが、これは刑務所を知らないことによる誤解でしょう。ほとんどの受刑者はこのように無報酬に近い形で毎日働いており、実態としてタダ飯ではありません。



刑務所生活