麓刑務所
元受刑者の方より



私は、麓刑務所に懲役1年4ヶ月の刑期で服役。

入所後2週間は「観察」と呼ばれ刑務所での生活や決まりを学びます。その間、自分がどの工場が適しているか観察されるわけです。大体の人は、「経理」「衛生」「洗濯工場」等に行きたがります。理由は、作業がきつい分早く帰れるという噂があるから!経理とは事務ではなく炊事工場や所内の草むしり等をする所です。

観察期間に必ず「安全5束」を暗記しこれは、作業が始まる前にどの工場も暗唱します。刑務所では、初め理解出来ない規則がたくさんありました。ちり紙等の貸し借り禁止、人の身体に触る事も本の貸し借り禁止。困っている人がいても自己判断で助かる事は、出来ません。そんな事を学び工場が決まります。

私は、当時エリートコースと呼ばれる「洗濯」から「炊場」になりましたが炊場は、朝早く時間に追われ全てが出来て当然失敗は許されない厳しさに私は、ストレスから体調を壊し出所間近で又洗濯工場に戻りました。人間関係も本当に大変でした。刑期の長い人から、嫌がらせさせられたり。職員から無視されたり無神経な言葉に泣いた日もたくさんありました。しかし、中には 親身に相談にのってくれたり 励ましてくださる先生も居ました。

私は、家族が月に1回の面会と週3回分手紙が来てました。辛くても後何日で会える!とそれを支えに頑張った日々でした。職員も受刑者も人間だから気が合わない人も居ます。中では諦める事が一番です。だって自分では どうする事も出来ないから〜。ちなみに、エリートコースでも早く帰れる事はありませんでした。

大体の人は、刑期の三分の一を残し仮釈放となるみたいでした。しかしこれには条件があります。*身元引受人が居て尚且つその人がしっかりとした人である事。*受刑者の生活態度等も関係あるみたいです。初犯でも帰る場所がない人や引受人がいなくて満期になる心配を何人もしていました。

私は、ションベン刑と言われる短い期間でしたが、いろんな決まりも今までの自分を反省する材料になりましたよ!ハードな作業で疲れ果てても空腹で眠れなかった夜。他の工場の人はダイエットの為に残したりしてましたが炊場では 絶対有り得ない事です。私は肋骨がはっきり分かる位がりがりに痩せました。しかし家庭寮に入ってからは、一日1`位太ってました。

どうか皆さん、してしまった事は許されない事かもしれませんが社会復帰を頑張っている人達が暮らしやすくなるように暖かく見守って下さい。二度と行きたくない厳しさと辛さだったから、今どんな生活でも刑務所での生活と比べたらマシなんです!受刑者に教えてもらった言葉「短期は損期!損期は満期」皆さんどんなに悔しくても心でこの言葉を称えて我慢するのです。



刑務所生活