府中刑務所
元受刑者の方より



府中刑務所にお勤めに行かれた方より情報提供頂きました。貴重な情報のご提供、感謝致します。

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私は府中刑務所を平成20年に仮出所した者で、約3カ月仮釈放をもらいました。刑務所の中では、洗濯工場で働き、約2年務めました。
府中刑務所の経理工場は現役、元ヤクザ者は一切入れませんので、洗濯工場の在籍者は覚醒剤、窃盗、詐欺、恐喝、暴行などの犯罪を犯した者ばかりでした。

日本一の刑務所だけあり、洗濯物の数はハンパではありません。
特に免業日開けや正月、お盆、ゴールデンウイーク開けはパンツ、シャツの洗濯物の数の多さには驚きます。
ドラム式の洗濯機で洗い、天気の良い日には外に干します。雨の日には乾燥機で乾かして、各工場に帰すのが仕事です。
しかし、夏は汗でぐっしょりとなった下着を扱っているにも関わらず、汚染入浴などの特権もないのが現状です。
その上、工場の正担当、副担当が揃って厳しいのでは務め上げるのは、至難の技です。

洗濯工場では常時60名余りの人間が務めていました。
洗濯物を干しながら、担当の目を盗み、他の受刑者と話しをしたり、しているとシャコタンと呼ばれる副担当が洗濯物からヌゥ〜と顔を出して、不正口談としてつまむのです。

府中刑務所には1区から5区がありますが、洗濯工場は第4区です。摘まれたら、管区と呼ばれる場所へ行き、刑務所の上層部の人間から、怒鳴られた上に区長訓戒、厳重注意などの処分となり胸に付けているバッチに響きます。つまり、累進制度となっている刑務所において、類がすべてであり、3類から4類に落とされると集会にも参加できませんし、手紙発信回数も月に5回から4回に減らされるのです。

府中刑務所の集会は他の刑務所に比べると、対した事はありません。他の刑務所は映画を見ながら、お菓子を食べるのですが府中では工場の食堂において、普通のテレビ番組を見ながら行われ、お菓子の量も少ないので楽しくありません。自らが働いた作業賞与金で買っているのに、最高でも、飲み物込みで300円が限度です。いい大人がこれでは腹の足しになるはずもありません。

食事も年を重ねる事に悪くなっています。パン食が週に4回もあり、それも夕食ですから夜は腹が減って仕方ないのです。また、日曜日の夜には決まって、あましゃり(善哉、あんこ、赤鳩)だったのですが、平成19年5月からはそれらの物は月に2度くらいに減らされてしまいました。受刑者の鬱憤は溜まる一方なのです。

府中刑務所は何回も刑務所に入って来る人間ばかりで再犯刑務所なのでシャリ上げと呼ばれるイジメはありません。
ただ、賭け事をして負け、オカズを無くす人はいました。
運動会、慰問などはそれなりに楽しい思い出です。慰問などは豪華であり、私が居た頃には坂本冬美や香西かおり、山本譲二がやってきました。
刑務所でソフトボール大会がないと言うものがないのが不満ありでした。
受刑者同士、喧嘩になりバットで殴り合い、それ以来、大会がなくなったんだそうです。



刑務所生活