網走刑務所
元受刑者の方より



仮名「城崎」様より網走刑務所について情報提供頂きました。貴重な情報のご提供、感謝致します。なお、旧監獄法時代のお話です。

網走刑務所といえば、かつて日本で一番脱獄が困難な刑務所と言われたところです。網走刑務所は今では網走の観光地の一つになっていますが、かつて網走行きといえば、それは北の地での死を意味しました。多くの死者を出しながら北海道を開拓した受刑者達の悲劇を、決して忘れてはなりません。

(現在の網走は、新施設も完成し、昔とは違うのでご安心下さい。)

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私が網走に務めたのは平成13年から平成15年までの約2年です。

昔のイメージと違い現在は短期刑の者が多く、あの恐ろしい網走監獄とは程遠いくらい、ほのぼのしたものでした。

主な作業種類は洋裁、木工、金属、焼き物、モタ、営繕、外掃、農場などですかね。名物はなんといっても《ニポポ》でしょう。個人的には殆ど興味ありませんが観光客には人気があるみたいですね。木彫りのアイヌの人形です。

農場は、各工場から柄受けや帰住地が整っていて堅気の者を対象に選ばれます。これには各工場のオヤジの推薦もあるので、まさにエリート職と言えるでしょう。農場には湖畔農場と二見農場があり、前者より後者の方が値打ちでしたね。仮釈も農場に限っては3〜4ピン(初犯など)も聞いたことがありますね。 土曜日の甘シャリの小豆やジャガイモ、南瓜なんかを作ってました。

職業訓練は私自身は関わらなかったのですが、ユンボやブルなんかの車両系があるみたいです。

釈放前(仮釈)になると網走刑務所の正面敷地内のタンポポ狩りをさせられました。オヤジもマンガでしたよ。

食事は自作しているだけあって、量味共に88点くらいでしょう。まあまあです。

出所後は門から出て広い通りを挟んだ向かい側にある食堂で、アツアツのトンカツと生ビールがすさんだ心を優しく迎えてくれますよ。

全体的にマンガそのものです。冬場の雪かきが堪えますが、スチームも入るし、暑がりの人は移送の際には北を希望しましょう。



刑務所生活